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高品位フレキソ印刷の先駆  中堅ベンチャー企業 スミタ
 
 水性インクを使った「フレキソ印刷」が低価格なうえ環境にやさしいと,欧米で注目が集まってい
る。印刷精度の問題から,従来は段ボール箱の外装などに用途が限られていたこの技術にこだわり,
三年前からオフセット印刷やグラビア印刷に匹敵する高品位の製品を送り出している。
 「機械やインクなどの質も向上し,現在は三十ミクロンの点まで再現できるようになった。これだ
け精度の高い製版を行っている業者はほとんどない」。角田昭弘社長がこう説明するように,高品位
フレキソ印刷の製版では,同社が事実上国内トップを占めている。 昭和二十二年に「角田電気版製
造所」として創業。当時から段ボールなどを中心としたフレキソ印刷を手がけてきた。
 昭和六十二年に角田社長が2代目に就任してから,積極的に先端技術を導入。平成三年にはデュポ
ンジャパンリミテッドとの合弁会社「アルファグラフィックス」(埼玉県川口市)を設立し,欧米の
技術を取り入れた。コンピュータから直接データを送って製版する『フレキソCTPシステム』の導
入も,業界に先駆けたものだった。
 角田社長は「製版会社自体がマイナーな存在ですが,印刷業界が製版作業も自社で行うケースが増
え,業界の動向は厳しい。そのため,当社にしかできない技術や設備の先取りを心がけてきた」とい
う。
 そんな取り組みの一環として,平成十一年にはニューヨークにフレキソ印刷の製版機器を扱う子会
社「SS&Kインポート/エクスポート」を設立し,最新の製版機器の国内向け販売に着手。昨年十
二月には米フレキソ技術協会(FTA)が作成した業者向け技術書の版権を取得し,翻訳・出版する
など普及活動につとめている。
 しかし,印刷業界全体でみると,フレキソ印刷が占める割合は決して大きくない。「段ボールは別
だが,それ以外の印刷物では全体の数%程度」(角田社長)だ。にもかかわらず,この技術にこだわ
る背景には,冒頭で書いた欧米での高い注目がある。
 有機溶剤を使うグラビア印刷や油性インクを使うオフセットに対し,フレキソ印刷ではもっぱら水
性インクを使うため,環境への影響が少ない。他の印刷に比べて色合わせなどの際の損紙が少なく,
製版の耐久性も高いことから,コストも低く抑えられるという。
 角田社長は「印刷物の品質に格差がなくなった現在,この特性は高く評価されるべき。米国では近
い将来,印刷物の三分の一がフレキソ印刷になるとの見方もある。国内でも五年で一〇%前後まで伸
びるのでは」と見込んでいる。
 一方で,同社は今春をめどに,社内のデザインセクションで3Dムービーなどコンテンツの製作に
乗り出すなど新規事業にも着手。三年後をめどに年間二億円前後の売り上げを目標としている。企業
のIT化進むなか,印刷物とコンテンツの両面で,業績拡大を目指す方針だ。
中堅ベンチャー企業 スミタの事務所 
(記者:内田博文) 
平成13年(西暦2001年)2月15日(木)産経新聞
 
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