江戸期ハイテクの粋,西本願寺御影堂の鉄くぎ
用途で炭素濃度変え,自在の強度,柔軟性
 
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 江戸時代初期の1636年に再建された西本願寺(京都市下京区)の御影堂(ごえいどう)の屋根瓦
をとめている鉄くぎが,炭素濃度を変えることで部分ごとに必要な強度や柔軟性を持たせた精密な構
造であることが,武蔵工大の平井昭司教授(放射線分析化学)などのグループの研究で分かった。江
戸時代の鍛冶(かじ)技術の高さを示す資料として注目される。
 御影堂は親鸞像を安置した,広さ2500平方メートル,高さ約30メートルの世界最大級の木造建築
物で,消失後の1636年に再建された。平井教授らは瓦を土台の材木にとめていた長さ約40センチメ
ートルの鉄くぎ約3000本の一部について,含有元素分析や強度測定を行った。
 その結果,材料の鉄は刀剣にもつかえるほど純度が高く,さびにくいことが分かった。金づちでた
たく頭部と,材木に刺さる先端部は炭素濃度が高いため硬く,刺さりやすくなっていた。瓦を支える
中央部は炭素濃度を低くして軟らかく粘り強い材質にし,瓦の重さがかかっても折れにくいよう工夫
されていることが分かった。
【記者:菊池正太郎】
 
平成13年(西暦2001年)3月28日(水)毎日新聞
 
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