新聞まるごと電子配達
高い関心,報道陣300人 質問攻め
 
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 産経新聞社が四日,ブロードバンド(高速インターネット)を通して紙面をそのままパソコンに配
信する新サービス「新聞まるごと電子配達」を発表した東京・大手町の会見場には,各全国紙,経済
専門紙など報道関係者ら約三百人が詰めかけた。デモンストレーションの後,「バックナンバーも配
信するのか」「現在の紙の新聞はどうなるのか」といった質問が相次ぎ,関心の高さを示した。
 「新聞まるごと電子配達」は,産経新聞とソフト・システム開発会社のサビエンス(本社・東京都
豊島区)が共同開発した閲覧ソフト「ニュースビュウ」を使うサービス。ユーザーは,広告も含めた
新聞の紙面情報をパソコン画面上で自在に拡大,縮小しながら読み,印刷もできる。来月中に試験配
信を始め,八月のサービス開始に向けて準備を進めている。
 受信するには,アットホームジャパン,AIIの放送・通信関連企業二社のいずれかからコンテン
ツ(情報内容)配信を受けているCATVとのインターネット契約,または有線ブロードネットワー
クスとの光ファイバー契約を結ぶ必要がある。電子購読料は決まり次第,発表する。
 当初は,東京本社発行の産経新聞最終版の朝夕刊と夕刊フジを送信。ただし,産経新聞は近畿圏の
一部地域,夕刊フジは首都圏と近畿圏を,送信の除外地域とする。
 
 
新聞のよさ+多彩機能
 
 産経新聞が今夏をめどに始める「新聞まるごと電子配達」は,高速インターネット(ブロードバン
ド)を通じて新聞紙面をそのままパソコン上に表示する,いわば”デジタル新聞”。パソコンの特性
を生かし,文字の拡大・縮小や関連情報へのリンクなど,紙の新聞の良さを保ちつつ,プラスアルフ
ァの多彩な機能を備えた新しいメディアだ。
□自由自在に拡大・縮小
 パソコンで受信したデジタル版の新聞は,閲覧ソフト「ヌースビュウ」を使って,紙面のサイズを
九段階に拡大できる。文字を好みの大きさに変えられるというわけだ。さらに,紙面を部分拡大して
読むための「虫眼鏡」機能もついている。この機能を使えば,証券欄のような細かい株価の数字が並
ぶページも読みやすくなる。
 紙面サイズの拡大機能や,「虫眼鏡」機能を合わせると,文字の大きさは最大六十四倍(縦八倍,
横八倍)まで拡大できる。紙の新聞に例えれば,記事の本分に使われている活字が,トップ記事の見
出しの活字と同じくらい大きくなる。
□手軽に”スクラップ”
 新聞の見開き二ページ分をパソコン画面にまとめて表示することもできるので,大事件・事故が起
きたとき,見開きで展開されるダイナミックなレイアウトも一目瞭然(りょうぜん)。新聞の大きな
特徴のひとつである一覧性を,パソコン上でも実現している。
 パソコンのもう一つの特徴はとっておきたい記事を切り抜いてスクラップできること。この”デジ
タル版”でも,ほしい部分を範囲指定して印刷が可能だ。印刷用紙に合わせた「拡大・縮小印刷」と
いう便利な機能もついている。
 ただし,著作権の関係上,同じ紙面は二日間だけ表示し,バックナンバーの配信は行わない。
□関連情報へリンクも
 ページめくりは一ページづつでもできるが,画面の右にインデックス(目次)を表示させることで,
マウス操作で選択することもできる。
 ブロードバンドのインターネット接続は,つなぎっぱなしにしても料金が定額のサービスで,しか
も大容量のデータを扱える。この特性を生かした機能が,関連情報へのリンクだ。
 デジタル版の紙面上にはリンクが張ってある。一面の記事に「社会面に関連記事」とあれば,その
部分をダブルクリックすると,すぐに社会面のその記事が表示される。広告の関連サイトへも飛ぶこ
とができる。
□紙の新聞はどうなる
 多機能デジタル版の登場で気になるのが,紙の新聞の行方。四日の会見でも放送陣から質問が相次
いだが,産経新聞社の山元強取締役は「紙の新聞が無くなるのではなく,併読するかたちになると思
っている。デジタル版だけの購読者もいると思うが,紙が主力だと考えている」と答えた。
 
平成13年(西暦2001年)4月5日(木)産経新聞
 
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