お手伝いする子 ストレス少なく キレにくい
意外な効用 調査で立証 徳島大・佐野教授ら
 
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 「家事などのお手伝いをする小学生ほど,ストレスが少なく,キレにくい」−。徳島大総合科学部
の佐野勝徳教授の研究室(生理心理学)の調査でこんな傾向が浮かんだ。お手伝いの意外な効用を日
本発達心理学会で報告するという。
 佐野教授は神戸の小学生連続殺傷事件(1997年)をきっかけに「子どもがキレる過程」を研究し
ている。今回の調査は,徳島市内の小学5,6年生240人を対象に昨年11月アンケートを行い,佐野
教授と同研究室OBの長谷川千寿さん(22)が分析した。
 アンケートでは,家での手伝いの程度や遊び時間など生活状況▽「日ごろ気持ちがむしゃくしゃす
るか」などストレスの度合い▽「すぐにけんかをするか」などキレやすさ▽「いつも清潔にしている
か」など「良い子」の度合いの四つの観点から計61の質問をした。 分析の結果,お手伝いするこ
との多い子と少ない子について,ストレスの度合いを偏差値に換算して比較すると,お手伝いするこ
との多い子のストレス度は48で,少ない子の51より低かった。キレやすさでもよく手伝う子の方が1
ポイント低かった。佐野教授によると,発達心理学の研究者の間では「仕事を言いつけるお手伝いは
子どもにストレスを与えている」という見方が大勢を占めてきたが,逆の傾向が出た。
 これに遊び時間を加味し,「遊び時間が多く,お手伝いする子」と「遊び時間が少なく,お手伝い
をしない子」を比較するとストレス度合いで10ポイント,キレやすさで6ポイント,前者が低かっ
た。
 佐野教授は,「子どもが勉強以外の仕事を与えられなくなり,家庭で過剰に大切にされている現状
をみて,お手伝いの役割を検証してみようと思った。手伝うことで子どもは大人に認められて自信を
持ち,ストレスにならないのだろう。一定時間お手伝いをするバランスのよい日常生活がキレを防ぐ
有効な手段になるはずだ」と話している。
【記者:遠山和彦】
 
平成13年(西暦2001年)4月17日(火)毎日新聞
 
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