太陽フレアの活動 過去最大 航空機など無線に障害
今月3回交信不能 短波ラジオ聴取できず 来年まで続く見込み
 
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 太陽の活動が活発化する十一年に一度の極大期を迎え,過去最大規模のフレア(表面爆発)が頻発。
航空機や船舶の無線やラジオの短波放送などに障害が出ている。今月に入って三回,二時間から九時
間にわたって交信不能や聴取できない状態になった。総務省所管の通信総合研究所では「今後,さら
に大規模なフレアが起きる可能性が高い」としており,国土交通省航空局などが警戒を強めている。
 四月三日午前六時半ごろ,太陽で過去最大のフレアが発生した。この直後,成田空港にある国際対
空通信局と洋上を飛行していた航空機との交信が数分間,途切れるなど乱れ,障害は二時間,続いた。
 同局は短波無線を使い,国際線航空機と位置や速度などを交信し,情報を東京航空交通管制部(埼
玉県所沢市)の管制官に伝えている。同じ短波無線を使用している会場保安庁でも,船舶との交信が
不能になった。
 ラジオたんぱ(東京)でも同日,発生直後から午後三時半まで,約九時間にわたって,全国的に滝
の中にいるような音が響き,まったく聴取できない状態が続き,聴取者から問い合せ電話が殺到。電
話回線はパンク状態になった。十日午後二時半ごろにも同様のフレアが発生,三日の障害より小規模
だったが,ラジオ短波が約二時間,聴取不能となった。十二日にもフレアが発生した。
 太陽は十一年周期で活動が活発化,黒点数やフレアの発生が増減を繰り返す。今年がピークに当た
り,来年まで続く。
 現在,地上からのレーダー無線が届かない洋上での航空機と管制とのやりとりは短波無線を使用。
パイロットが音声で航空機の位置や進路を伝えており,大規模フレアが発生すると,約五分おきに断
続的に交信ができなくなる。
 航空無線課では「長時間にわたって,交信が途絶えると,運航に支障が出るのは避けられない」と
警戒。特に航行量が多い北米路線に危険性があるという。国内線や日本本土上空の国際線はレーダー
無線を使用しているため,影響はない。
 フレアを観測している通信総合研究所の秋岡真樹・平磯太陽観測センター長は「これからも大規模
なフレアが頻発する」と予測。ラジオ短波の高山孝進広報長は「短波という電波の性質上,対策はな
い。どうしていいかわからない」と頭を抱えている。
■太陽フレア 太陽の黒点の上空の電子やガスなどのエネルギーが数時間,爆発的に放出される現象。
大規模フレアが発生すると,大量の紫外線,X線が地球に降り注ぎ,地表から二百キロ上空の電離層
の状態を変える。このため,電離層で反射して戻る短波が障害を受ける。フレアは磁気あらしも起こ
し,今年はオーロラの「当たり年」といわれている。
 
平成13年(西暦2001年)4月18日(水)産経新聞
 
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