「1兆分の1秒」で光点滅
民間研究機構開発 医療,ITへ応用期待
 
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 民間企業を中心とする技術研究組合「フェムト秒テクノロジー研究機構」(茨城県つくば市)は(平
成13年4月)三十日,一兆分の一秒の単位で光を消したりつけたりする技術の開発にほぼ成功した
ことを明らかにした。実用化に向け,平成十六年度中に実証試験を終える方針。患者に負担をかけず
に手術できるレーザーメス,被ばくの心配の少ないレントゲン撮影など,医療分野への幅広い応用が
期待されている。
 東芝や松下電器産業など十社が参加する同機構は経済産業省の委託を受け,一秒間に一兆−千兆回
のペースで光を点灯,消灯できる技術を研究している。
 十三年度の委託予算は約十五億円。
 従来は半導体に電圧をかけたり,切ったりすることで光を発生させていたが,電圧をかけたり,切
ったりすることで光を発生させていたが,電圧をかけ続けた状態で,光に反応して閉じたり開いたり
する特別なゲート(門)を組み込むことで,超高速の点滅を可能にした。
 この技術が完成すれば超高速の光の操作が可能。レーザー光を利用した電子メスなら,患部にほん
の一瞬,レーザー光を照射するだけで患部を切除でき,体力の衰えた高齢者医療に役立つ。
 この技術を応用したエックス(X)線を使えば,通常のX線より輝きが強いため,物体の構造など
を対象にした極めて精密な測定が可能。当面は火力発電用のタービンの定期点検への利用が検討され
ている。
 極めて短い時間のX線照射ならほとんど被ばくしない特性から,人体のレントゲン撮影技術を向上
させる可能性もある。同機構はレーザー光やX線への応用を視野に,安定的に光を提供する技術研究
を急ぐ。
 また,一秒間に一兆回の点灯,消灯が可能になれば,一秒間に一兆回分の情報を光ファイバーで送
信できることになり,「十ギガビット(一ギガは十億)といわれる現在の光ファイバーの百倍から千
倍の伝達量を持つ光デバイス(機器)が製造できる」(桜井昭夫・企画管理部長)という。
 
平成13年(西暦2001年)5月1日(火)産経新聞
 
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