ロケット先端に襟巻き
H2A上昇時 「断熱膨張」で雲の輪
 
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 鹿児島県の種子島宇宙センターから二十九日に打ち上げられたH2Aロケット1号機の上昇時に,
ロケット先端に襟巻きのようにリング状の白い雲が巻きついているのが目撃された。宇宙開発事業団
広報室によると,このリングは空気がロケットの急上昇によって「断熱膨張」を起こしたためにでき
たという。
 発生メカニズムは,まずロケット前方の空気がロケットの先端部に押されて圧縮される。この空気
は先端から機体の横に抜けた瞬間,圧力が下がり,圧縮された空気が旧膨張し温度が下がる。
 今回の打ち上げでは,湿度が高いなどの条件が整っていたため,空気中の水蒸気は冷やされて水滴
になり,機体のつくる空気の流れも影響してリング状に雲をつくったと考えられるという。
 断熱膨張は,気体が熱の出入りを伴わずに体積が増大することで,温度が低下する。普通の雲も上
昇気流などなどによって空気が断熱膨張して発生することが多い。
 
平成13年(2001年)8月31日(金)産経新聞掲載
 
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